ワンタイムパスワードとは?仕組み、メリット・デメリットについて分かりやすく解説
オンラインセキュリティを向上させるための効果的な手段であるワンタイムパスワードについて解説します。
本記事では、ワンタイムパスワードの仕組みや、導入のメリット・デメリットなどを詳しくご紹介します。
1.ワンタイムパスワードとは?
ワンタイムパスワード(OTP)は、一度だけ使用できる使い捨てパスワードです。
この仕組みはパスワード認証をより安全に使用するために考えられました。
2.ワンタイムパスワードの生成方法
ワンタイムパスワードの生成方法は主にです。
・タイムスタンプ方式
・チャレンジ&レスポンス方式
・マトリクス方式
・カウンタ同期方式
それでは、それぞれについて詳しく解説します。
2-1 タイムスタンプ方式
あらかじめ共有鍵と現在時刻をハッシュ関数にかけることで一意のパスワードを生成します。
この方式は、定期的に有効期限が切れるためセキュリティが高いと言えます。
2-2 チャレンジ&レスポンス方式
ユーザがサーバーに対してランダムな挑戦値(チャレンジ)を送り、その正当性を証明する応答値(レスポンス)を生成します。
この方式は、通信経路の盗聴や盗難に対して有効な手法として利用されます。
2-3 マトリクス方式
ランダムな数字列である「マトリクス表」とマトリクス表上の「形(=位置と順番)」を組み合わせることによりワンタイムパスワードを生成します。
2-4 カウンタ同期方式
発行回数を基に、トークンでワンタイムパスワードを生成します。
※トークン:ワンタイムパスワードを生成するツールの総称のこと。
3.ワンタイムパスワードの利用場面
実際にワンタイムパスワードはどのような場面で利用されているのでしょうか?
ワンタイムパスワードは、主にセキュリティが重視されるシステムやサービスで使用されています。
・インターネットバンキング
・オンラインショッピング
・仮想通貨取引
上記のように、重要な情報や取引を行う際にワンタイムパスワードが利用されています。
これらのシーンでは、従来のパスワード認証だけでは不十分であり、
ワンタイムパスワードを使用することでセキュリティレベルを向上させることができます。
4.導入のメリット
ワンタイムパスワードを導入することで得られるメリットは主に以下の4点です。
・二要素による認証の強化
・パスワード流出時のリスク低減
・再利用の防止
・ユーザへの負担の軽減
それぞれ詳しく解説します。
4-1 二要素による認証の強化
二要素認証の二要素目として導入することによって認証の強化が図れます。
パスワードとは独立して、追加のセキュリティ層を提供し、アカウントの不正アクセスを防止します。
4-2 パスワード流出時のリスク低減
ワンタイムパスワードは一度きりの使用なので、誰かが盗んでも次に使用されないため、不正アクセスの可能性が低くなります。
4-3 再利用の防止
一度使用されたパスワードは再利用されないため、セキュリティを向上させます。
4-4 ユーザへの負担の軽減
パスワードの記憶や変更の必要がなく、簡単にセキュアなアクセスが可能です。
5.導入のデメリット
ワンタイムパスワードは多くのシーンで利用されていますが、主に以下3点のデメリットにも注意しなくてはなりません。
・実装コストと複雑さ
・アクセスの遅延
・デバイスの依存性
それぞれ詳しく解説します。
5-1 実装コストと複雑さ
ワンタイムパスワードの実装には初期コストとシステムの複雑さが伴います。
5-2 アクセスの遅延
ユーザは毎回新しいパスワードを取得する必要があり、アクセス手順が従来の方法よりも時間がかかる場合があります。
5-3 デバイスの依存性
ワンタイムパスワードは通常、特定のデバイス(例: )に依存しており、
そのデバイスが利用できない場合にアクセスできない可能性があります。
6.まとめ
ワンタイムパスワードの導入は、オンラインセキュリティを向上させるための効果的な手段であり、
組織や個人が安全なアクセスを確保する上で重要な役割を果たします。
セキュリティの重要性が高まる現代社会において、
ワンタイムパスワードは不正アクセスやデータ漏洩からの保護を強化するため、メリットがデメリットを上回ります。
実装コストや一時的な利便性の低下は、長期的なセキュリティと信頼性の向上に比べれば小さいものです。
そのため、デメリットを考慮しつつも、積極的に導入を検討することが推奨されます。
7.ファイル転送サービスにおけるワンタイムパスワードの活用
ファイル転送サービスにおいてもワンタイムパスワードの活用は重要となります。
当社がご提供するファイル転送サービス「EASY FILE EXPRESS」では、
タイムスタンプ方式によるワンタイムパスワード発行機能を実装しており,ファイルをダウンロードする際に、
メールアドレス認証によるワンタイムパスワード発行機能が利用可能です。
ファイル受信者はダウンロードURLにアクセスし、自身のメールアドレスを入力。
認証された入力メールアドレス宛にワンタイムパスワードが送信されます。
ファイル送信者が指定した人以外はダウンロードすることができないよう設定することが可能なので、
万が一ダウンロードURLが流出してしまった場合でも、第三者がダウンロードすることはできません。
メールは傍受される可能性があるためリスクは有りますが、受信者側での事前準備やデバイスの準備は不要な点、
また方式的には経験されている方は多い点等から、受信者も負担や抵抗感を抱く事無くご利用いただけます。
万一、ワンタイムパスワードメールを傍受された場合でも、ワンタイム方式故に再利用はできず、
複数のワンタイムパスワード通知メールとダウンロード通知が発行される形となり、受信者側および送信者側での事象検知が可能となっています。
また近日、ファイルをダウンロードする側だけではなく、「EASY FILE EXPRESS」を利用するユーザ(メンバ)がログインする際にも、
タイムスタンプ方式のワンタイムパスワード(TOTP)認証を実装予定です。