ファイル転送システムをクラウドに移行し
保守管理にかかるIT部門の業務負荷を大幅に軽減
株式会社毎日放送 様
大阪市北区に本社を置き、MBS(エムビーエス)の通称で知られる放送局です。昭和25年に設立された新日本放送株式会社をルーツとし、翌26年には、わが国最初の民間放送としてラジオ放送をスタートさせました。現在は、MBSメディアホールディングスの連結子会社の1社として、近畿広域圏を対象にテレビジョン放送事業を展開しています。報道番組やドキュメンタリー番組の制作に定評があり、全国ネットの『情熱大陸』や『プレバト!!』をはじめ、地域密着型では『よんチャンTV』、さらには歴史ある『よしもと新喜劇』など、多彩な人気映像コンテンツを世に送り出し続けています。
デジタルストラテジー局
石田 良馬 様
石橋 迪也 様
村井 亨 様

はじめに
はじめに
毎日放送(MBS)では、クラウドシフトの一環として、オンプレミスで運用していたファイル転送サービス「EASY FILE EXPRESS」をクラウド版へ移行しました。
これにより、IT部門はサーバー保守などの業務負荷から解放され、ユーザー数無制限プランによるコスト最適化、Google Workspaceと連携したSAML認証による安全性と利便性の両立などを実現し、グループ各社への展開も視野に入れながら安定運用を続けています。

導入のきっかけ①
そもそもファイル転送サービスを導入しようと考えたきっかけは何でしたか。
当社では動画や音声などサイズの大きなファイルを扱うことも多いのですが、その送受信について、管理の行き届いた安全な環境へと整える必要がありました。
放送局という業務上、やり取りされる動画などのデータそのものが大切な「商品」ですから、無料サービスを利用して万が一インシデントが発生すれば、会社としての信頼を著しく損なう恐れがあります。そのため、利便性とセキュリティを両立させ、かつ有事の際にはログを追跡できる仕組みが不可欠だったのです。
最初にEASY FILE EXPRESSを導入したのは、前任の担当者がファイル転送サービスの導入を検討していた際、トーテックから届いた一通の製品紹介メールがきっかけだったと聞いています。
私たちが入社した時には、すでにオンプレミス版のパッケージが社内の標準的なファイル転送手段として導入されており、ひとりのユーザーとして当たり前のように利用し始めるほど定着していました。
石田 良馬 様
導入のきっかけ②
現在、クラウド版へ乗り換えたのは、何か理由があるのでしょうか。
当社のIT環境では、全社的なプロジェクトとして「クラウドシフト」が推奨されています。ファイル転送サービスに関してもクラウドへ移行することにより、インフラ管理の負担を軽減しようと考えていました。
私たちの所属する部署は15名程度の少人数で、インフラからアプリケーション開発、セキュリティまで幅広い業務をカバーしています。そのためファイル転送システムのような、いわば「動いて当たり前」のインフラについては、できる限り手放しで運用できる体制を整えたいという要望がありました。オンプレミス版では、サーバーの保守管理やハードウェアの更新、OSのアップデートといった作業に労力を割く必要があり、これが大きな業務負荷となっていたのです。
クラウド版に移行すれば、これまで費やしていたサーバー運用のリソースを、本来注力すべき業務に振り分けることが可能になると判断したのです。
石橋 迪也 様
選定した理由
クラウド版への移行に際して、再びEASY FILE EXPRESSをお選びいただいた理由は何でしょうか。
EASY FILE EXPRESSについては、長年にわたって大きなトラブルもなく安定稼働を続けてきた実績があり、クラウドへ移行する際にも自然と比較検討の有力候補となりました。とは言え、今までとはまったく異なる環境で運用するわけですから、改めてゼロベースから他社製品を含む計3社での比較検討とPoC(導入前検証)を実施しました。
大きな決め手となったのは、「ユーザー数無制限」というコストメリットです。私たちの組織には、およそ600名に及ぶ正社員のほか、番組制作に携わる膨大な数の社外スタッフが在籍しており、実際のユーザー数は社員数を大きく上回ります。他社製品に多いユーザー課金制では、利用範囲を広げるほどコストが膨れ上がってしまいますが、ユーザー数を気にせず全社的、さらにはグループ会社にまで展開できるEASY FILE EXPRESSの料金体系は、放送制作の現場にとって魅力的でした。
技術的には、Google Workspaceと連携したSAML認証(シングルサインオン)に対応していることも必須要件でした。これにより、アカウント管理の一元化と安全なログイン環境、さらにはユーザーの利便性を両立させることができます。
送信したメールが相手側に確実に届くという到達性の高さも重要なポイントでした。他社システムでは、送信したメールが迷惑メールフォルダへ振り分けられてしまう事象がPoCで確認されましたが、EASY FILE EXPRESSにはそのようなトラブルがなく、「送ったはずなのに届いていない」という事態を防げる信頼性がありました。
加えて、ISMSを取得していることによる高い信頼性や、社内に公開サーバーを設置するリスクを排除できる安全性、サーバー証明書や適用を任せられる点も評価しました。
また、当社独自ドメインを利用できることや、ダウンロード画面などに当社ロゴを掲載できること、グループ各社に利用拡大していけることなども、私たちの選定基準を満たすものでした。
ダウンロード画面などに当社ロゴを掲載できることは、社外スタッフや取引先などが「これは毎日放送の正規サービスだ」と安心して利用できる重要な要素となりました。

村井 亨 様
導入メリット
EASY FILE EXPRESSを導入してどのようなメリットがありましたか?
導入後の成果として最も実感しているのは、管理者側の工数が大幅に削減され、文字通り「手放しで運用できる体制」が整ったことですね。オンプレミス環境では、OSのアップデートやサーバー機器の保守管理といった業務がIT部門の大きな負担となっていましたが、クラウド版への移行によってこれらの作業から解放されました。
また、Google Workspaceと連携したSAML認証によって、アカウントは一元管理できるようになりましたし、ユーザーは安全かつ簡単にログインして利用できるようになりました。
コストメリットも無視できません。ユーザー数無制限のプランですから、正社員から数多くの社外スタッフまで、アカウント数を気にすることなく展開可能な標準インフラとして活用できています。使い方も極めてシンプルなので、ユーザー教育や問い合わせ対応にかかるコストもほぼゼロに近いと思います。

サポートについて
システム導入やサポート対応における弊社のサービスはいかがでしょうか?
トーテックのサポートには非常に満足しております。
特に印象に残っているのは、レスポンスの速さと回答の的確さです。クラウドへの移行検討段階では、技術的に少し複雑な質問や、時には自分たちでも十分に整理できていないような曖昧な質問を投げかけてしまうこともありました。けれども、トーテックの担当者は私たちの意図を正しく汲み取り、即座に分かりやすい回答を返してくれました。
柔軟な対応力や環境構築のスピードにも驚かされましたね。例えば、メール送信時のSMTPサーバーを自社側にするかクラウド側にするかという社内での議論の結果、設定を二転三転させてしまったことがありました。そのような無理なお願いに対しても即日で対応していただけたため、スケジュールを遅らせることなくスムーズに導入を進めることができました。
サーバー証明書の発行や適用といった、専門知識と手間を要する作業を安心してお任せできたことも、限られた人数で多くのシステムを管理している私たちにとって、大きな負担軽減につながりました。

運用について
EASY FILE EXPRESSの運用状況はいかがでしょうか?
毎日放送とMBSラジオの2社で利用できる標準インフラとして運用しています。番組制作に携わる社外の制作スタッフが非常に多い放送業界ですが、ユーザー数無制限の強みを活かして、それらの方々も含めた広範なメンバーが日常的に活用しています。
クラウド版に移行してからも大きなトラブルは一度も発生しておらず、極めて安定した稼働状況を維持しています。
管理者として非常にありがたいのは、ユーザーからの「使い方がわからない」といった問い合わせがほとんどないことです。UIが非常にシンプルで直感的なので、ログイン方法を案内する程度で、皆さんすぐに使いこなせています。他のSaaS製品では新入社員向けの操作説明会が毎年恒例となっていますが、EASY FILE EXPRESSの場合はその必要がありません。
ゲスト受信機能、ウイルスチェック、SAML認証などのオプション機能もフル活用しており、特に外部からのファイル受け取りが多い制作現場において、安全かつスムーズなデータのやり取りを実現しています。

お客様のコメント
EASY FILE EXPRESSへのご要望などはございますか?
今後の要望としてまず挙げたいのは、アカウント管理のさらなる自動化、具体的にはGoogle Workspaceとのプロビジョニング連携です。現在は、社員の入退社に伴うユーザー情報のメンテナンスを手動で行っていますが、ここが自動化されれば私たちの運用負荷はさらに軽減されます。
もうひとつ、上長承認機能では柔軟性の向上を強く期待しています。現状の仕組みでは、機能をオンにするとすべての送信ファイルが承認対象となってしまうため、一刻を争う制作現場のスピードを損なってしまう懸念があり、活用できていません。
例えば、特定の放送素材や機密性の高いファイルのみをトリガーとして承認対象にする、あるいは承認までは求めずとも、後から「誰が・何を・どこに送ったか」という証跡を部署単位で簡単に確認できるようにする、といったことができたら良いなと考えています。
