オンプレミス環境で簡単・安全にファイルを送受信 ファイル転送サービスEASY FILE EXPRESSで脱PPAPを実現
目次 ファイルの送受信でお困りごとはございませんか? ファイル転送サービス EASY FILE EX...
勝俣
企業の情報システムにおいて、ファイル転送サービスは業務の根幹を支える重要なインフラの一つです。
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速やテレワークの普及、さらにはBCP(事業継続計画)対策の観点から、ファイル転送サービスをクラウド環境へ移行する動きが活発化しています。
クラウド移行は単なる「サーバーの引っ越し」ではなく、運用の効率化やセキュリティ強化、コスト最適化といった多くのメリットをもたらします。
本コラムでは、ファイル転送サービスをクラウドへ移行することで得られるメリットや、実際にファイル転送サービスをクラウド環境に移行したお客様の導入事例を交えて紹介していきます。
ファイル転送サービスのクラウド移行とは、従来オンプレミスで運用していたファイル転送システム(例:FTPサーバー、SFTPゲートウェイ、MFTソリューションなど)を、クラウドベースのインフラやサービスに置き換えることを意味します。
これにより、物理的なサーバーやネットワーク機器の管理から解放され、より柔軟でスケーラブルな運用が可能になります。
クラウド移行にはいくつかのアプローチがありますが、主に以下の3つの形態が一般的です。
2-1. IaaS(Infrastructure as a Service)型
既存のオンプレミス環境をそのままクラウド上の仮想マシンに移行する方式です。
構成や運用方法を大きく変えずに移行できるため、比較的短期間で導入可能です。
ただし、インフラの管理責任は引き続きユーザー側に残ります。
2-2. PaaS(Platform as a Service)型
クラウドベンダーが提供するプラットフォーム上に、ファイル転送機能を構築する方式です。
インフラ管理の負担が軽減され、開発・運用の効率が向上します。
2-3. SaaS(Software as a Service)型
ファイル転送機能そのものをクラウドサービスとして利用する方式です。
導入が容易で、セキュリティや可用性もベンダー側で担保されるため、特に中小企業やスピード重視のプロジェクトに適しています。
移行にあたっては、現行システムの構成や運用要件を正確に把握し、どのクラウドモデルが最適かを見極めることが重要です。
また、セキュリティポリシーやデータガバナンスの観点からも、クラウド環境に適した設計が求められます。
ファイル転送サービスをクラウドへ移行することで、企業は単なるインフラの刷新にとどまらず、業務全体の効率化やセキュリティ強化といった多くの恩恵を受けることができます。
ここでは、特に注目すべきメリットを2つ紹介します。
3-1. コストの最適化
オンプレミス環境では、サーバーやネットワーク機器の購入、設置、保守に多大なコストがかかります。
クラウドに移行することで、これらの初期投資が不要になり、運用コストも最適化されます。
3-2. セキュリティの強化
クラウドベンダーは、最新のセキュリティ技術や対策を常に導入しており、オンプレミスでは実現が難しい高度なセキュリティレベルを提供します。
データの暗号化、アクセス制御、監査ログの取得など、ファイル転送における重要なセキュリティ要件を標準で満たすことができます。
EASY FILE EXPRESSは、大容量ファイルの送受信に特化したファイル転送サービスです。
10年以上の稼働・提供実績があり、ご利用総ユーザー数は80,000人を突破、自治体への導入実績も非常に多く、信頼性が高いサービスです。
誰にとっても使いやすいシンプルな操作性を実現しており、導入後のマニュアル配布や社員教育は不要で、スムーズに運用を始めることができます。
また、通信経路を暗号化し、期間無制限でログを保管することができ、万全のセキュリティを備えています。
加えて、Entra IDと連携してユーザーの登録・変更を一元管理することができるオプション機能や、OutlookアドインでOutlookメールにファイルを添付するだけでファイルを分離しセキュアに送信可能な「for Outlookプラン」など、お客様の要望、環境に合わせてクラウドやパッケージなどの様々なプラン、機能を用意し、多くのユーザー様より高い評価を頂いております。
大成建設様は10年以上利用されている他社のアプライアンス製品からクラウドサービスであるEASY FILE EXPRESS Cloud2(専有)へのリプレイスを実施しました。
▸導入のきっかけ
導入して10年ほど経っているアプライアンス製品のため動作に不安定な部分があり、アカウントの払い出しなども手動で行う必要があったため、その運用負荷の大きさが問題になっていました。
また近年では、外部協力会社とコラボレーションを行うケースが増えており、確かなガバナンスとセキュリティのもとで、大容量ファイルを安全に送付し共有できる仕組みを確立する必要があった。
▸選定したポイント
・マニュアル不要なくらいシンプルで感覚的に操作できる
・セキュリティを強化できる「多要素認証」が備わっていた
・アカウント管理を効率化できる「EntraID連携機能」が備わっていた
▸導入して感じたメリット
・サイバー攻撃やデータ流出のリスクを大幅に軽減することができた
・アカウントを自動でプロビジョニングできるようになり、運用負荷が大幅に軽減された
・総ユーザー約26,000人でトラブルなく安定利用できている
▸運用状況について
取引先と主にCADデータや画像データ(動画、写真、デザイン画)などをやり取りするために利用しています。
グループ会社と取引先を含む総ユーザー約26,000人で運用していますが、特に大きなトラブルはなく安定して運用できている。
※大成建設様の導入事例ページはこちら
https://www.easyfile-exp.jp/case/taisei.html
前章で紹介した大成建設様に導入頂いたCloud2 専有プランをご紹介します。
・料金体系
ご希望のディスクサイズに応じて料金が変動します。
ディスクサイズとは、ファイルをアップロードすることができる領域の全体容量を指しています。
・プランの特徴
ユーザー数は無制限、アップロード可能なファイルサイズも制限なくご利用頂けます。
要望に合わせて個別でカスタマイズ対応することもできます。
グループ会社を含む大規模での利用に最適なプランとなります。
また、EASY FILE EXPRESSのCloud2 専有プランを検討されるお客様の要件は主に以下の4点となります。
・管理コストを削減したい
・運用負荷を軽減したい
・セキュリティを強化したい
・アプライアンス製品の販売終息に伴いリプレイスが必要
このようなご希望がございましたら、是非お問い合わせください。
ファイル転送サービスのクラウド移行は、単なる技術的な選択ではなく、運用の効率化・セキュリティ強化・コスト最適化を実現するための戦略的なステップです。
オンプレミス環境では対応が難しかったスケーラビリティや可用性、災害対策といった課題も、クラウドの活用によって柔軟かつ迅速に解決できるようになります。
もちろん、移行には計画的な準備と慎重な実行が求められますが、段階的な導入や適切なベンダー選定、ユーザー教育を通じて、リスクを最小限に抑えながらスムーズな移行を実現することが可能です。
今後、企業のITインフラはますますクラウドネイティブな方向へと進化していくことが予想されます。
ファイル転送サービスのクラウド移行は、その第一歩として非常に有効な選択肢です。
変化を恐れず、柔軟に対応することで、より強固で持続可能なIT基盤を築いていきましょう。