API連携とはなにか?仕組みや種類、メリット・デメリットについて徹底解説

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勝俣

B!

本記事では、異なるシステムやアプリケーション間でデータを連携し、
利用することができるAPI連携について解説します。
API連携の仕組みや種類、連携するとどのようなメリットがあるのか詳しくご紹介します。

 

目次

1.APIとは?

API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)とは、
アプリケーション同士が連携するためのプロトコルや接続部分の仕様を取り決めたものです。
開発者はAPIを使ってアプリケーション間の連携をスムーズに行えるようプログラムを作成します。


2.API連携とは?

API連携は異なるシステムやアプリケーション間でデータを連携し、利用できる機能を拡張する仕組みです。
具体的には、APIを使用して異なるソフトウェアやプログラム同士をつなげることを指します。

 

3.API連携の仕組み

API連携の基本プロセスは「リクエスト(要求)」と「レスポンス(応答)」で構成されます。

API利用者がリクエストを送り、APIの提供者がレスポンスを返します。
リクエストとレスポンスに関するルールはAPIの提供者が定めます。
つまり、どのリクエストに対してどんなレスポンスを返すかは、APIの設計段階で考えられ、実装されます。

具体的な例として、ネットショップでクレジットカード決済を行う際に、クレジットカード会社のAPIを利用して安全に決済情報をやり取りすることがあります。


4.APIの種類

APIには以下5つの種類があります。
 

Web API
・ネイティブAPI
・ライブラリAPI
・ランタイムAPI
・データベースAPI


それぞれ詳しく解説します。

 

4-1 WebAPI

Webサービス機能の一部として提供されているAPIです。
GoogleAmazonFacebookなどの大企業もWeb APIを提供しています。
インターネット上で一般的に使われているHTTPS通信によってデータのやり取りを行います。
様々な環境からアクセスできるため、依存しない利用が可能です。

4-2 ネイティブAPI

OSにあらかじめ組み込まれたAPIです。
OSのカーネルを呼び出し、ハードウェアの制御やメモリの操作などを実行します。
ネイティブAPIは、OSと密接に結びついており、低レベルの操作やハードウェア制御を行う際に重要です。

4-3 ライブラリAPI

ライブラリが提供する機能にアクセスするための APIです。
ライブラリは、再利用可能なコードの集まりであり、特定の機能やタスクを実行するために使用されます。
例えば、数学関数、データベース接続、グラフィック処理、ファイル操作などの機能を提供するライブラリがあります。

4-4 ランタイムAPI

プログラムの実行時に使用されるAPIです。
具体的には、以下の特徴があります。

・動的な動作が可能
プログラムの実行時間やメモリの使用量を実行時に取得できるなど、実行中のプログラムの状態をリアルタイムでモニタリングできます。

 ・アプリケーション自身の状態を監視
問題発生時に早期に適切なアクションを行うことができ、運用レベルアップにつながります。

4-5 データベースAPI

アプリケーションとデータベース管理システムとの間の通信を簡単に行うことができるAPIです。

 

5.APIの提供方式

APIの提供方式は主に以下の5点です。

・パブリックAPI(オープンAPI
・ビジネスAPI
・メンバーAPI
・パートナーAPI
・クローズドAPI(プライベートAPI

それぞれ詳しく解説します。

5-1 パブリックAPI

誰でも利用申請ができるオープンなAPIです。
: Twitter APIGoogle Maps APIなど。

5-2 ビジネスAPI

利用者に使用料金を課すAPIです。
: ChatGPT APIStripe APIなど。

5-3 メンバーAPI

利用者を限定し、ウェイティングリストを作成するAPIです。
制約のあるサーバーで多くの人に使ってもらいたい場合に選択されます。

5-4 パートナーAPI

APIの公開範囲を自社と提携関係にある企業に限定する手法です。
パートナー企業との協働や連携を促進したい場合に用いられます。

5-5 クローズドAPI(プライベートAPI)

特定のユーザーグループに限定されたAPIです。
: 企業内部のシステム連携用APIなど

 

6.導入のメリット

14章までは、APIとはどのようなものなのか、その仕組みや種類、方式について触れましたが、
ここでは特にWeb API連携をすることで得られるメリットについて、導入時(設計・開発)と導入後(運用)に分けて紹介します。

導入時(設計・開発)

・開発の効率化によるコスト削減

 

導入後(運用)

・データを共有できる
・ユーザーエクスペリエンスの向上
・定形業務の自動化による人的ミスの削減 及び運用コストの削減

 

それぞれ詳しく解説します。


【導入時(設計・開発)】

6-1 API開発の効率化によるコスト削減

既存のAPIと連携することで、新しいアプリケーションやサービスを開発する際に、既存のプログラム/サービスを再利用できます。
これにより、開発工数を削減し、時間とコストを節約できます。

 

【導入後(運用)】

6-2 データを共有できる

API連携により、既存のアプリケーションやサービス間でデータを共有することができます。
これにより、システムの自動化や特定の機能に特化したアプリケーション/サービスを連携し、適切に且つ柔軟にデータを管理、活用することができます。

6-3 ユーザーエクスペリエンスの向上

API連携により、アプリケーション/サービスの機能が充実し、ユーザーにより便利なサービスを提供できます。

6-4 定型業務の自動化による人的ミスの削減及び運用コストの削減

これまで人作業で行ってきた定型業務を、APIを用いてシステム/サービス間連携させることによって、人的ミスを抑止することができます。
また、API連携することにより、各システムにアカウント情報を登録/更新/削除する作業を簡略化(一元化)することや、
各システムのAPIを用いてシステム毎のデータを自動的に収集、集計させる等、運用・業務にかかる定型業務コストを削減することができます。


7.導入のデメリット

API連携をすることで得られるメリットは多いですが、その一方で主に以下のデメリットにも注意しなくてはなりません。

API連携先に左右されてしまう
・不具合の対応が困難

 
上記について、詳しく解説します。

7-1 API連携先に左右される

APIを提供する企業が何らかの理由でサービスの提供を停止すると、関連した自社のサービスにも影響が生じるリスクがあります。
自社のサービスがAPIの提供企業のサービスに依存しすぎないように注意が必要です。

7-2不具合の対応が困難

APIを提供する企業のサーバーに障害が発生した場合、自社のサービスにも不具合が生じる可能性があります。
障害の対応策を検討しておく必要があります。

 

8.API連携におけるセキュリティの重要性

API連携をするにあたりセキュリティ対策も重要となります。
具体的にどのような対策が必要なのか、以下に記載します。

・データの暗号化
APIエンドポイントのセキュリティ
APIの監視とログ

それぞれ詳しく解説します。

 

8-1データの暗号化

APIを介して送受信されるデータは、暗号化されているべきです。
HTTPSプロトコルを使用するか、データをエンドツーエンドで暗号化することで、データの安全性を確保します。

8-2 APIエンドポイントのセキュリティ

APIエンドポイントは適切に設計され、不正なアクセスから保護されている必要があります。
不要なエンドポイントを公開しないようにし、アクセス制御を実施しましょう。

8-3 APIの監視とログ

APIのアクセスログを記録し、異常なアクティビティを検出できるようにしましょう。
セキュリティインシデントが発生した場合に備えて、適切な監視と対応策を用意しておきましょう。 

 

9.まとめ

今回は、APIとその連携について詳しく解説しました。

 APIはアプリケーション間の連携を可能にし、データの共有や機能の拡張を実現します。
また、APIの種類や提供方式、導入のメリット・デメリット、そしてセキュリティの重要性についても触れました。

APIは、開発の効率化、データ共有、ユーザーエクスペリエンスの向上など、多くのメリットを提供します。
しかし、API連携先に左右されるリスクや不具合対応の困難さなど、デメリットも存在します。

これらの点を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

また、API連携におけるセキュリティ対策は必須です。
データの暗号化、APIエンドポイントのセキュリティ、APIの監視とログなど、様々な対策を実施し、安全なAPI利用を実現することが求められます。

APIとその連携は、現代のソフトウェア開発において欠かせない要素であると言えます。
これまで適切に理解・活用することにより、効率的かつ高機能なアプリケーション開発を実現できるでしょう。

 

10.ファイル転送サービスにおけるAPI連携

ファイル転送サービスにおいても、API連携をすることで様々なメリットがございます。

当社が提供するファイル転送サービス「EASY FILE EXPRESS」では、API連携のオプションをご用意しております。

本オプションをご利用頂くことで、お客様のシステムとWebAPIで連携し、
人手を介すことなく「EASY FILE EXPRESS」によるセキュアなファイル送信が可能となります。
また、「EASY FILE EXPRESS」のWebAPIは、「通信経路の暗号化」「APIエンドポイントのIPアドレスによるアクセス制限」「APIのログ記録」などにより、
セキュリティを担保しておりますので安心してご利用頂けます。


【API活用事例①】自動化による業務負荷軽減

「電子帳簿保存法」の改正により、請求書などの電子データを保存する仕組みが必要となったお客様での活用事例です。

社内システムから出力される帳票データを取引先に手動で送付していた。
人件費の増加、人的ミスによる誤送信リスクが高い状態だった。





社内システムから出力される帳票データをAPI経由で「EASY FILE EXPRESS」から自動送信。
送信先の設定は社内システムから自動で設定されるため、人的ミスによる誤送信リスクがなくなった。





【API活用事例②】大容量ファイルの配布

自治体様向け情報発信サービスでの活用事例です。

情報発信する際に添付できるデータにサイズ制限があり、数十MB単位の大きなファイルが配布できなかった。





情報発信サービスでファイルを添付した際に、API経由で「EASY FILE EXPRESS」にアップロードし、URL化。
大容量のファイルを発信できるようになった。





その他にも、お客様のご利用されているシステム、環境に合わせたAPIのご提供が可能です。

この機会に是非ご検討下さい。





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